top of page

インドの識字率について:言葉を話せることと読み書きできることの違い

執筆者の写真: Ryota HatanakaRyota Hatanaka

更新日:1月11日


黒板に文字を書く男性

皆さんは、これまで「識字率」について意識したことがありますか?日本では、言語を話せるのに読み書きができない人に出会うことはほとんどなく、私自身も日本で暮らしている間、識字率について考えることはありませんでした。ところが、インドで暮らし始めてから、この意識は大きく変わりました。


インドの多言語能力


多言語話者が多いインド


インドでは、多くの人が最低4つ以上の言語を話せることが一般的です。特にバンガロールがある南インドでは、州ごとに異なる言語が公用語として使われており、多言語話者が多い傾向にあります。


  • 共通語としての英語:南インドでは、州ごとにカンナダ語(カルナータカ州)、タミル語(タミルナドゥ州)、マラヤーラム語(ケララ州)、テルグ語(アンドラプラデーシュ州)といった異なる言語が使われています。そのため、異なる州出身の人々が共通語として英語を使うことが多いです。

  • 実体験 アパートのオーナー:私が以前住んでいたアパートのオーナーは、英語に加え、カンナダ語、タミル語、マラヤーラム語、テルグ語を話すことができました。この多言語能力には驚かされました。また、オーナーはそれぞれの言語の読み書きもできました。


インドの識字率と話せる言語の違い


読み書きができない人との出会い


日本の識字率は99%、インドの識字率は77%(2023年)というデータがあります。

インドでの生活中、識字率の違いを実感したのは、自分が住んでいたアパートの部屋を掃除してくれていた60代くらいのおばちゃんとのやり取りがきっかけでした。そのおばちゃんはタミルナドゥ州出身で、タミル語を話していました。

ある日、彼女がアパートのオーナーに電話をかけてほしいということを身振り手振りで伝えてきました。しかし、私自身はオーナーの電話番号を知らなかったため、自分の携帯を渡し、直接番号を入力して電話するよう伝えました。

ところが、彼女は数字を入力することができない様子でした。そのとき、彼女が数字を認識できないということに初めて気づきました。



読み書きできないことの背景


話すことができても読み書きができない現実


タミル語をネイティブで話せる彼女でしたが、文字を読み書きする能力はありませんでした。思い返せば、彼女は古いタイプの携帯電話を使用していましたが、電話がかかってきたときに応答するだけで、自分から電話をかけたり、メッセージを送ったりすることはありませんでした。

机の上のノート

日本との違い

日本では、例えば日本人で日本語を話している人がいた場合、当然日本語の読み書きもできると考えるのが普通です。しかし、インドでは話す能力と読み書きの能力は必ずしも一致しないことがあります。この違いは、私にとって衝撃的であり、自分の考えを広げるきっかけとなりました。



識字率と世界の広がり

インドでの生活を通じて、識字率について考える機会を得たことは、自分の世界を広げる貴重な経験でした。話すことができても読み書きができない人々の存在は、教育の大切さや社会の多様性について深く考えさせられるきっかけとなりました。


まとめ

インドでは、多言語を話し、読み書きができる人が多い一方で、自分の母語でさえ読み書きできない人を見かける場面もあります。話す能力と読み書きの能力は別物であり、この現実を知ることは、異文化理解の第一歩です。

インドでの留学や生活を通じて、こうした違いや課題に触れることは、価値観を広げる大きなチャンスとなるでしょう。インド留学について詳しく知りたい方は、インド留学プラスをご覧ください!


インド留学プラスのHP↓↓↓↓ https://www.india-study-plus.com/

 
 
 

Comentários


bottom of page