
社会人のインド留学 — 短い休みで英語とキャリアに効く5つの理由
有給の範囲で行く2週間から、キャリアを賭ける数か月まで。働きながらでも現実的に選べる留学先として、社会人がインドを選ぶ理由を日程・費用・キャリアの3つの軸から解説します。
最終更新日: 2026-08-09
SUMMARY
この記事の結論
社会人が留学を諦める理由は、たいてい「休みが取れない・お金がない・キャリアの空白が怖い」の3つです。インド留学は2週間から組めて費用は欧米の約1/3、しかも現地には日本人の働き口が残っています。この3つすべてに現実的な答えを持っている、数少ない留学先です。
メリット
- 2週間から組める。平均的な有給取得日数(年12.1日)の範囲に収まる
- 2週間で約30万円〜。アメリカ留学(約100万円〜)の約1/3
- 住まいが現地で働く社会人のコミュニティ。仕事の話が英語でできる
- GCC集積地バンガロールの成長を自分の目で確かめられる
- 「なぜインド?」から必ず話が広がる。留学経験そのものが希少
- 英語が伸び切らなくても現地就職の道が残る(在留邦人8,102人に対し日系5,205拠点)
- 現地就職なら日本より貯まる。貯蓄と英語の実務経験が次の国への足がかりになる
デメリット・注意点
- ビザは目的に合ったものが必要。観光ビザでの就学はできない
- 日本と比べれば衛生面は良くない。ただし昔ほどではない
- 水道水は飲めず、慣れない食事で最初は体調を崩す人もいる
- 2週間で英語力が劇的に変わることはない。伸ばすなら1か月以上
- 欧米の生活や文化そのものを味わいたい人には向かない
こんな人におすすめ
結論: 社会人のインド留学は「短く・安く・被らない」
社会人が留学を諦める理由は、たいてい3つに絞られます。休みが取れない、お金がない、キャリアの空白が怖い。インド留学は、この3つすべてに現実的な答えを持っている留学先です。
この記事ではまず、多くの方が最初に気にする「英語が伸びなかったらどうなるのか」と「現地就職の給与と貯蓄の実額」からお話しします。そのうえで社会人がインドを選ぶ5つのメリット、インドで働くうえで避けて通れない文化の話まで、公的データと現地の実態の両方から解説します。学生も含めた全体的な長所と短所はメリット・デメリットの記事にまとめています。
英語が伸び切らなくても、インドには働き口がある
ここは、あまり大きな声で語られない話です。留学した全員が思い描いたとおりに英語を伸ばして帰るわけではありません。仕事を離れて渡航した社会人の方ほど、「思ったほど伸びなかったら、この時間は何だったのか」という不安を抱えています。
インド留学がその不安に対して強いのは、現地に日本人の働き口が残っているからです。これは印象論ではなく、需要と供給の数字で説明がつきます。
| 国 | 在留邦人数 | 見方 |
|---|---|---|
| 🇮🇳 インド | 8,102人 | 日系企業5,205拠点に対してこの人数。競合する日本人が極端に少ない |
| 🇹🇭 タイ | 70,421人 | インドの約9倍。海外就職の定番で、求職者も多い |
| 🇨🇳 中国 | 97,538人 | インドの約12倍 |
いずれも2024年10月1日時点の数字です。インドに進出している日系企業は1,434社・5,205拠点あり、拠点数は前年比5.0%増で今も増えています。企業の数は増えているのに、現地にいる日本人は8,000人あまり。人材紹介会社の分析でも、インドは「日本人のインド就労経験者が非常に少ない」ため企業側が採用に苦労するエリアとされています。求職者の側から見れば、そのまま競合の少なさになります。
そして日系企業の現場では、日本語がネイティブであること自体が職務能力として評価されます。日本本社とのやり取り、現地スタッフへの橋渡し、資料の翻訳。ここは英語力ではなく日本語力が効く領域です。実際、私たちがご案内している求人にも日常会話レベルの英語から応募できるものがあり、日本での職種と違う仕事に就いた方もいます。
ただし「英語ができなくても就職できる」とは言いません
誤解のないように、条件も正直に書きます。まず英語がまったく不要な仕事はほぼありません。日常会話レベルは前提で、その先の専門性や日本語力で勝負する、という構図です。
また「就職率○%」といった公的な統計は存在しません。ここでお伝えしているのは、求人需要と在留邦人数という構造から言える有利さであって、就職を保証するものではありません。
それでも、「英語が伸びなければ全部無駄」にはならない— これは社会人が留学を決める上で、意外と大きな安心材料になります。留学から現地就職につなげる流れはインド就職ガイドに、実際に働いている方の話は留学体験談にまとめています。
出典: 外務省「海外在留邦人数調査統計」(2024年10月1日現在)・ジェトロ「インドにおける日系企業の進出動向」
現地就職なら日本より貯まる — 給与と貯蓄の実額
現場の実感: 1.5倍出しても人が来ない
まず、私たちが現地で直接聞いた話から紹介します。バンガロールにある日本食店が、日本人社員を募集していました。日本に本社がある会社で、インド勤務であれば日本での給与の1.5倍以上を支給するという条件です。それでも応募が集まらない、というのが現状でした。
待遇の問題ではなく、単純に「インドで働く」という選択肢を持っている日本人が少ないということです。前章の在留邦人8,102人という数字が、そのまま現場で起きていることの説明になっています。ここに自分から入っていける人にとっては、条件を選べる側に立てる市場だということです。
額面は日本並み、貯まる額は日本以上
海外就職というと「給料が下がる」印象を持たれがちです。額面だけを見れば、それは半分当たっています。日本の給与所得者の平均給与は478万円(2024年分・国税庁)。一方、インドにおける日本人現地採用の平均年収はおよそ250万ルピー(2024年)で、1ルピー=約1.7円で換算すると約425万円です。
ところが、手元に残る額は逆転します。インドは物価が安いため、同じ手取りでも生活費が桁違いに小さいからです。現地の人材会社が公開している実例を見てください。
| 例 | 年収(CTC) | 月の手取り | 月の貯蓄 |
|---|---|---|---|
| 20代女性(デリー) | 180万ルピー | 11万3,000ルピー(約19万円) | 5万5,000ルピー(約9万4,000円) |
| 30代男性(グルガオン) | 250万ルピー | 15万6,000ルピー(約26万5,000円) | 6万8,000ルピー(約11万6,000円) |
いずれも手取りの4割以上を貯蓄に回せている計算です。日本で手取り19万円のうち毎月9万円を貯金できるか、と考えると差は明らかだと思います。年間に直せば110万〜140万円。同じ働き方をしていても、貯まる速度が違うというのが現地就職の実態です。私たちがご案内した方の例でも、家賃の40%が会社補助で、昼食は約50ルピー(90円前後)という環境でした。
求人の給与レンジは年収180万〜500万ルピーが中心で、専門知識を要するポジションでは300万〜500万ルピーが相場です。
自炊をすると、貯蓄はさらに伸びます
上の実例は外食も含めた生活での数字です。ここに自炊を足すと、食費はさらに落ちます。留学生の生活費は外食やカフェを含めて1日600〜1200ルピーが目安ですが、自炊を中心にすれば1日200〜300ルピー(約340〜510円)まで抑えられます。月の食費に直せば1万〜1万5,000円ほどです。
野菜も米もスパイスも現地価格で買えますし、昼食は外で食べても約50ルピー(90円前後)。物価が安いということは、頑張って節約しなくても勝手にお金が残るということです。日本で同じ収入を得ながら家賃と食費で消えていくことを考えると、差は毎月積み上がります。生活費の内訳は費用まとめにまとめました。
そして、英語を使いながら働ける
お金の話以上に大きいのが、仕事の時間そのものが英語の時間になることです。日本国内で「英語を使う仕事」に就いても、実際に英語を使うのは業務のごく一部という職場は少なくありません。インドの現地法人では、同僚も取引先もインド人ですから、会議も日常のやり取りも英語です。留学の数か月で身につけた英語を、給与をもらいながら使い続けられる — キャリアの積み方として、これはかなり効率が良い形です。
貯めたお金と英語の実務経験が、次の国への切符になる
インドで働く意味は、インドで完結しません。その次に欧米などへ移る足がかりになるという点が、社会人にとっては大きいところです。
欧米、特にヨーロッパの就職で求められるのは、ほぼ例外なくビジネスレベルの英語と、応募する分野での職歴・実績の2つです。ところが日本国内で働いている限り、この2つを同時に積むのは簡単ではありません。実務経験は積めても、英語を使う時間がほとんどないからです。インドの現地法人で働けば、英語で仕事をした職歴そのものが手に入ります。「英語ができます」と言うのと、「英語で3年働いていました」と言うのとでは、選考での意味がまったく違います。
そこに、前段で見た貯蓄が加わります。次の国へ移るには、転職活動の期間、渡航費、場合によっては語学学校や無給インターンの費用がかかります。インドで働きながら年間100万円以上を貯められるということは、次の一手を打つための原資を、働きながら用意できるということです。日本で家賃と生活費に消えていく給与とは、意味合いが変わってきます。
正直に: 「海外経験があれば欧米に行ける」ではありません
期待値の話も書いておきます。欧米、特にヨーロッパは就労ビザの発給が日本人にとって厳しい地域です。そしてビザが厳しい国ほど、「海外経験があること」よりも「応募する分野そのものの実務経験」を見ます。海外にいたという事実だけで扉が開くわけではありません。
だからこそ、インドでどの業種・職種に就くかが重要になります。次に進みたい分野と地続きの仕事を選べば、英語 × その分野の実務経験という、日本にいては作りにくい組み合わせが手に入ります。どの仕事を選ぶかも含めて、ご相談いただければ一緒に考えます。
数字の前提について
ルピー円は1ルピー=約1.7円で換算しています。為替は変動するため、円換算額は目安としてご覧ください。給与は職種・経験・企業規模で大きく異なり、上記はあくまで公開されている実例と相場です。日本食店の事例は、2026年8月時点で私たちが現地でヒアリングした内容です。
出典: 国税庁「令和6年分 民間給与実態統計調査」・パソナインディア「インド就職の給与&生活費事情まとめ」(2025年)
メリット(1) 2週間から。有給の範囲に収まる
社会人の留学で最初の壁になるのが日程です。ここは感覚ではなく数字で見てみます。厚生労働省の調査によると、2024年の1年間に労働者1人が取得した年次有給休暇は平均12.1日、取得率は66.9%で、いずれも1984年以降で最も高い水準でした(付与日数は平均18.1日)。
つまり2週間の留学は、平均的な有給取得日数の範囲にほぼ収まります。前後の土日を組み合わせれば、実際に使う有給は10日前後です。「留学は仕事を辞めないと無理」という前提は、少なくとも短期については当てはまりません。
移動の負担も小さく済みます。バンガロールへは成田から日本航空の直行便で約10時間、時差は3時間30分です。乗り継ぎで一日を潰すこともなく、金曜の夜に発って土曜の朝から現地、という日程が組めます。渡航の詳細はバンガロール留学ガイドをご覧ください。
社会人の留学は、実は珍しくありません
ある調査では、留学経験がある人のうち40.6%が「社会人になってから留学した」と回答しています(2022年・全国1,837名対象の調査、留学経験者ベース)。学生時代に行けなかったからもう手遅れ、という話ではないということです。
出典: 厚生労働省「令和7年就労条件総合調査の概況」・NEXER「留学に関するアンケート」(2022年)
メリット(2) 費用は欧米の約1/3。貯金を崩し切らない
社会人の留学が学生と決定的に違うのは、原資が自分の貯金であるという点です。親の支援も奨学金もない中で、住宅ローンや将来の生活を考えれば、留学費用は小さいほど意思決定は軽くなります。
| 留学先 | 費用目安(2週間) | 社会人から見た特徴 |
|---|---|---|
| 🇮🇳 インド | 約30万円〜 | ボーナス1回分で成立する。学費・宿泊費・ビザ費用・教材費込み |
| 🇵🇭 フィリピン | 約35万円〜 | 費用は近いが、アジア留学では日本人が最も多い |
| 🇺🇸 アメリカ | 約100万円〜 | 同じ2週間で3倍以上。長期になるほど差が開く |
現地での生活費も低く、留学生の平均で1日600〜1200ルピーほどが目安です。住まいでは朝食と夕食が提供されるため、日々の出費は外食やカフェが中心になります。内訳は費用まとめに、極端に安いプランで何が削られるのかは格安留学のリスクにまとめました。
メリット(3) 住まいがそのまま社会人コミュニティ
ここが、社会人にとって最も価値の大きい部分かもしれません。一般的な語学留学は「学校に通い、宿舎に帰る」の往復で、接点はクラスメイト、つまり自分と同じ英語学習者に限られます。学生同士なら話は合いますが、社会人が求めているのはたいてい、そこではありません。
インド留学プラスが滞在先にしているソーシャルレジデンスは、数十名から数百名が暮らす大規模住居で、住人の中心はバンガロールで働く社会人です。ITエンジニア、外資系企業の勤務者、起業家、金融、医療。廊下やラウンジ、屋上で毎日顔を合わせるうちに、英語の会話が生活の一部になっていきます。
社会人だからこそ、話が合う
仕事の話ができるのは、働いた経験がある人の強みです。同年代のインド人エンジニアと働き方や給与、キャリアの考え方を英語で話す時間は、教室のロールプレイでは得られません。住まいの実際はなぜソーシャルレジデンスなのかとレジデンスの暮らしで詳しく紹介しています。
設備面も、社会人の滞在に耐える水準です。部屋に専用のトイレ・シャワー、24時間の受付とセキュリティ、女性専用の部屋、共有のラウンジ・キッチン・屋上スペース、家具・家電・清掃・Wi-Fi込み。到着したその日から生活が始められます。詳細は滞在環境をご覧ください。
メリット(4) GCC集積地バンガロールを自分の目で見る
バンガロールが「インドのシリコンバレー」と呼ばれるのは比喩ではありません。近年、世界の企業がインドに置いているのがGCC(グローバル・ケイパビリティ・センター)— 単なるコストダウンの外注先ではなく、開発や研究の中核機能を担う自社拠点です。
- インド全体で1,700社以上がGCCを設置し、約190万人を雇用(2025年2月時点)
- そのうちベンガルールに875拠点が集中(2024年時点。全国約2,975拠点の約3割)
- 同市のGCCは2019年の620拠点から5年で255拠点増
- バンガロールを擁するカルナータカ州は2024年11月にインド初のGCC特化政策を発表し、2029年までに新規500拠点・35万人の雇用創出を目標に掲げている
日系企業の進出も進んでおり、2024年10月時点でインドに進出する日系企業は1,434社・5,205拠点(拠点数は前年比5.0%増)。自分の勤務先がこれから向き合う市場を、先に見ておく— 社会人にとってのインド留学は、語学研修であると同時に市場調査でもあります。ソーシャルレジデンスの住人の多くが、まさにそのGCCで働いている人たちです。
出典: ジェトロ「インドにグローバル・ケイパビリティー・センター(GCC)を置く魅力」・ジェトロ「インド初のGCC政策、カルナータカ州が発表」・ジェトロ「インドにおける日系企業の進出動向」
メリット(5) 「なぜインド?」がキャリアの話になる
転職の面接で「語学留学をしていました」と話したとき、相手の反応が薄かった経験はないでしょうか。欧米留学もフィリピン留学もすでに定着した選択肢で、留学したこと自体は差別化にならないのが実情です。
インド留学はまだ数が少なく、履歴書に書けばほぼ確実に「なぜインドを選んだのですか」と聞かれます。そこで前章のGCCや日系企業の話ができれば、会話は「思い出話」ではなく事業の話になります。これは社会人の面接において、学生の留学経験談とはまったく別の重みを持ちます。
ただし「行けば評価される」わけではありません
珍しさだけでは通用しません。評価されるのは何を見て、何を持ち帰り、次の仕事にどう使うかを自分の言葉で説明できる人です。渡航前に「この留学で何を答えられるようになりたいか」を一つ決めておくことを、私たちは社会人の方にいつもお伝えしています。現地就職まで視野に入れる場合はインド就職ガイドもご覧ください。
なお、キャリアのためにIT留学を検討している方には、正直にお伝えしていることがあります。数か月のプログラミング学習で未経験からエンジニア転職ができるとは言えません。理由と代案はインドでIT留学はどう?にまとめました。
英語より効くこともある — インドの作法を体で覚える
英語はもちろん大事です。ただ、インドで仕事をした人がそろって口にするのは、詰まるのは英語ではなく、進め方のほうだったという話です。
日本では、依頼をすれば期日までに物事が進みます。仕様を伝え、あとは任せる。それで回るのは、「言わなくても分かる」前提が社会全体で共有されているからです。インドではその前提が違います。同じように依頼しても、そのままでは動きません。誰に頼むのか、なぜそれが必要なのか、いつどう確認するのか。関係の作り方から確認の回数まで、インドにはインドの作法があります。
これは日本側から見た不満ではなく、相互に前提が違うだけの話です。ジェトロのインタビューでは、インドの経営者から日本企業に対して「自分たちのことをオープンにしない、クローズドな文化だと感じる」「準備にあまり長い時間はかけられない」「インドはとても速いスピードで変わり続けていることを理解する必要がある」といった指摘が出ています。向こうから見れば、日本のやり方こそ不可解なのです。
日本の仕事の作法も、外から見れば十分に不思議です
根回し、稟議、報連相、行間を読むこと、終業後の付き合い。日本で働く外国人からは「なぜ決まっていることに何人もの承認がいるのか」「なぜ結論を先に言わないのか」と聞かれます。どちらが正しいという話ではありません。自分の国の当たり前が世界の当たり前ではないと腹落ちすることが、そのまま海外で働く力になります。
宗教や祝祭日の多様さも、そのままビジネスの前提になります。食べられないものがある、特定の日は業務が止まる。知らなければ「なぜ進まないのか」と苛立つだけですが、知っていれば最初からその前提でスケジュールを組めます。背景はインドの宗教・文化を知るにまとめました。
そして、ここが社会人の留学で最も費用対効果が高い部分だと私たちは考えています。英語が話せる日本人より、英語が話せてインドの作法が体に入っている日本人のほうが、企業にとってはるかに価値があります。前者は増えていますが、後者は現地で暮らした人にしかなれません。
そして、この感覚は教室では身につきません。約束の時間、頼み方、断られ方、催促のタイミング。生活の中で小さく失敗しながら覚えるしかない種類のものです。だから私たちは、学校と宿舎を往復するだけの留学ではなく、現地の社会人と同じ建物で暮らすソーシャルレジデンスでの滞在にこだわっています。日本人がインドでどう見られているかはインドでの日本人の評判でも紹介しています。
出典: ジェトロ「インドの財閥・ビジネスリーダーに聞く協業(1)スピードが重要」
おすすめの順番: 日本で数年働いてから、インドへ
ここまでの話を踏まえて、私たちがおすすめしているキャリアの順番があります。日本で1年から数年働き、それからインドに出るという順番です。
理由は単純で、日本の働き方とインドの働き方の両方を知っていることが、そのまま強みになるからです。日系企業がインド拠点で本当に必要としているのは、英語が話せる人ではなく、日本本社の作法とインド現場の作法を両方わかっていて、その間に立てる人です。片方しか経験していなければ、そもそも違いを比較することができません。日本で数年働いた経験は、インドに来た瞬間から翻訳者としての価値に変わります。
新卒でそのままインド、も選択肢ではあります
大学を卒業してそのままインドで就職する道もあり、実際にそうした方もいます。ただ、正直にお伝えしておきたいことがあります。本当に腹が決まっていないと、日本に戻るときの再就職で苦労します。新卒という一度きりのカードを使わずに海外へ出ることになるため、帰国後は中途採用の枠で、日本での職務経験がない状態から勝負することになるからです。
「インドで骨を埋める覚悟がある」なら止めません。ただ「とりあえず海外に出てみたい」段階であれば、日本で数年働いてからのほうが、失うものが少なく、しかも市場価値は上がります。まずは短期留学でインドを見てから決める、という順番も選べます。
有給・休職・退職 — 社会人3つの行き方
(1) 有給・連休で行く — 2週間まで
最もリスクが小さい選択肢です。仕事も収入も失わず、インドという国と自分の相性を確かめられます。まず試してから長期を判断する、という進め方ができるのは社会人ならではの強みです。
(2) 休職で行く — 1〜6か月
自己啓発休職や休業制度がある会社なら、退職せずに数か月を確保できます。制度の有無と条件は会社ごとに大きく異なるため、渡航時期を決める前に就業規則を確認してください。戻る場所がある状態での長期留学は、精神的な余裕がまったく違います。
(3) 退職して行く — 3か月以上
キャリアの方向を変えるための選択です。ただし帰国後の計画がないまま踏み切ると後悔しやすいのも事実で、これはインドに限った話ではありません。退職を伴う留学を考えている方には、「帰国後に何を目指すか」から一緒に整理させていただいています。
迷ったら、短い期間から
私たちの立場としては長期留学をおすすめしたほうが商売にはなりますが、社会人の方にはまず辞めずに行ける期間で試すことをおすすめしています。2週間の留学で感触をつかみ、その後に1か月・数か月と延ばした方が実際に多くいらっしゃいます。
正直に: 社会人が気をつけたい3点
ビザは目的に合ったものを取る
インドは観光でもビザが必要な国です。渡航目的と合わないビザでの入国は、入国拒否や以後の渡航への影響につながる可能性があります。社会人の方は「短期だから観光ビザで」と考えがちですが、期間と目的に応じた適切なビザが必要です。インド留学プラスではビザ費用込みで手続きをサポートしています。詳しくはビザ完全ガイドへ。
体調管理は仕事の予定に直結する
正直に書くと、日本と比べれば衛生面は良くありません。水道水は飲めませんし、香辛料の多い食事で最初は体調を崩す方もいます。ただし昔ほどではありません。バンガロールのような大都市では衛生水準が上がり、清潔な飲食店やスーパー、設備の整った住まいを選べるようになっています。飲み水は購入する、常備薬(胃薬・整腸剤など)を持参する、といった基本で大半は防げます。具体策は衛生・健康ガイドにまとめました。
2週間で英語力が変わるとは言いません
短期留学の効果を誇張するつもりはありません。2週間で得られるのは、英語力の伸びよりも「英語で生活が回る」という体感と、その後の学習の方向性です。逆に、そこが定まると帰国後の勉強の質が変わります。インドの英語環境の実際は英語留学のリアルで解説しています。
期間別・社会人のプランの選び方
| 期間 | 休みの取り方 | 向いている人 | 内容 |
|---|---|---|---|
| 2週間 | 有給・連休 | まず試したい / 仕事は続ける | 学費・宿泊費・ビザ費用・教材費込みで約30万円〜。英語環境と現地の空気を確かめる期間として現実的です。 |
| 1〜2か月 | 有給+長期休暇 / 短期の休職 | 英語力の変化を実感したい | 最も選ばれている期間です。生活が現地のリズムになじみ、住人との関係ができてから帰国できます。 |
| 3〜6か月 | 休職・退職 | キャリアの転換を狙う | 英語で仕事の話ができる水準を目指す期間。現地就職を視野に入れるなら4〜5か月の就職プログラムがあります。 |
各プランの料金と内容は留学プラン一覧に掲載しています。実際に参加した方の話は留学体験談でご覧いただけます。期間・時期・オプションに合わせたお見積りは無料ですので、お問い合わせまたはLINEからお気軽にご相談ください。「まずは話を聞くだけ」も歓迎しています。
よくある質問
0130代・40代でも参加できますか?▼
できます。年齢の上限は設けていません。バンガロールのソーシャルレジデンスに暮らしているのは、インド各地から集まって働く社会人が中心です。学生ばかりの環境ではないため、20代後半から40代の方でも浮きません。むしろ仕事の経験がある方のほうが、住人と共通の話題を見つけやすい傾向があります。
02英語初心者でも大丈夫ですか?▼
大丈夫です。語学学校のレッスンはレベル別で、初心者向けのマンツーマン授業から始められます。社会人の方が不安に感じやすいのは「話せないまま現地に放り込まれるのでは」という点ですが、授業と住まいの両方でサポートがあるため、英語ゼロからの参加も珍しくありません。
032週間の有給だけでも意味がありますか?▼
目的次第です。2週間で英語力が劇的に変わることは、正直ありません。ただ「英語で生活が回る感覚をつかむ」「インドという国を自分の目で確かめる」という目的なら十分に成立します。実際、2週間で様子を見てから長期の留学を決める方は多くいらっしゃいます。逆に英語力の変化を求めるなら、1か月以上をおすすめします。
04英語が思ったより伸びなかった場合、留学は無駄になりますか?▼
無駄になりにくいのがインド留学の特徴です。インドに進出する日系企業は1,434社・5,205拠点(2024年10月時点)まで増えている一方、インドの在留邦人は8,102人(2024年10月1日時点)しかいません。タイの70,421人、中国の97,538人と比べると1桁少なく、日本人の求職者が極端に少ない市場です。日系企業では日本語がネイティブであること自体が評価されるため、日常会話レベルの英語から応募できる求人もあります。ただし英語がまったく不要な仕事はほぼありません。また「就職率○%」といった公的な統計はないため、就職を保証するものではなく、あくまで構造として有利だという話としてお考えください。
05英語以外に、インド留学で身につくものはありますか?▼
インドの文化とビジネスの進め方に対する肌感覚です。日本では依頼すれば期日どおりに物事が進みますが、インドでは同じようにはいきません。誰にどう頼むか、どのタイミングで確認するか、関係をどう作るか。インドにはインドの作法があります。逆に、根回しや稟議、行間を読む日本の仕事の作法も、外国人から見れば十分に不思議なものです。どちらが正しいという話ではなく、前提が違うと理解することが海外で働く力になります。この感覚は教室では身につかないため、現地の社会人と同じ建物で暮らすソーシャルレジデンスでの滞在をおすすめしています。
06現地就職すると、日本で働くより貯金できますか?▼
額面の年収は日本と同等かやや低めですが、手元に残る額は上回るケースが多いです。現地の人材会社が公開している実例では、デリー勤務の20代女性が月の手取り11万3,000ルピー(約19万円)のうち5万5,000ルピー(約9万4,000円)、グルガオン勤務の30代男性が手取り15万6,000ルピー(約26万5,000円)のうち6万8,000ルピー(約11万6,000円)を貯蓄しています。いずれも手取りの4割以上です。インドは物価が安く、家賃補助が出る企業もあるためです。さらに自炊を中心にすれば1日200〜300ルピー(約340〜510円)まで食費を抑えられるため、貯蓄はもっと伸びます。求人の給与レンジは年収180万〜500万ルピーが中心です。為替は1ルピー=約1.7円で換算しています。
07新卒でそのままインド就職するのはどう思いますか?▼
選択肢としてはありますが、私たちがおすすめしているのは日本で1年から数年働いてからインドに出る順番です。日本の働き方とインドの働き方の両方を知っていることが強みになり、日系企業が本当に求めているのは日本本社とインド現場の間に立てる人だからです。また正直な話として、新卒でそのままインドへ行く場合、本当に腹が決まっていないと日本に戻るときの再就職で苦労します。新卒のカードを使わずに海外へ出ることになり、帰国後は日本での職務経験がない状態で中途採用に臨むことになるためです。
08留学中にリモートワークはできますか?▼
通信環境の面では可能です。住まいのソーシャルレジデンスはWi-Fi込みで、共有の作業スペースやコワーキング的に使えるラウンジがあります。日本との時差は3時間30分なので、日本の午前中がインドの早朝にあたり、業務連絡の時間も取りやすい環境です。ただし滞在ビザの条件は渡航目的によって異なり、現地での就労にあたる行為には制限があります。勤務先との取り決めも含めて事前にご相談ください。
09会社を辞めてから行くべきですか?それとも休職ですか?▼
私たちは「まず辞めずに行ける期間で試す」ことをおすすめしています。2週間から1か月であれば、有給と休暇の組み合わせで対応できる方が多いためです。退職して長期留学に賭ける選択も間違いではありませんが、帰国後の再就職まで含めた計画がないまま踏み切ると、後悔につながりやすいのが実情です。期間とキャリアの計画は、お問い合わせいただければ一緒に考えます。
10一人での参加でも大丈夫ですか?▼
ほとんどの方がお一人での参加です。バンガロールの留学エリアに日本人スタッフが常駐しており、初回の空港出迎えから日常のサポート、緊急時の対応まで現地で行います。社会人の方は特に「困ったときにすぐ連絡できる相手がいるか」を重視されますが、その点は現地体制でお応えしています。
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