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インド留学の治安は大丈夫? — データで見る安全ガイド

「インドは危険」というイメージは本当なのか。犯罪指数の国際比較データと現地で暮らす実感の両面から、インド留学の治安を事実ベースで解説します。

最終更新日: 2026-08-13

SUMMARY

この記事の結論

「インドは危険」というイメージと、バンガロールで実際に暮らす条件は、かなり違います。体感治安を数値化した Numbeo の犯罪指数(2025 年版)でバンガロールは 44.6。ニューヨーク・ロンドン・パリだけでなく、語学留学先として人気のセブやマニラよりも低い数値です。ただしこれは「インドだから安全」なのではなく「バンガロールという都市を選んでいるから」であり、指標を変えれば結論も変わります。都合の悪いデータも含めて書きます。

メリット

  • 犯罪指数の国際比較では、欧米主要都市やフィリピンの留学都市より安全側に位置する
  • IT 産業で中間層が厚く、教育水準の高い住民が多い都市
  • 主要エリアの CCTV、住宅・商業施設の常駐警備員など防犯インフラが整っている
  • 外国人が日常的に暮らす国際都市のため悪目立ちせず、英語が広く通じる

デメリット・注意点

  • インド国内の都市どうしを比べる公式統計(NCRB)では、バンガロールは主要 19 都市の平均並み
  • 外務省の危険情報は「レベル1(十分注意してください)」— 危険情報が出ていない国ではない
  • バンガロールはサイバー犯罪の認知件数が大都市中最多。オンライン詐欺の警戒は日本以上に必要
  • 都市部を離れた地方は事情が異なる。街の治安と旅行の安全は分けて考える必要がある

結論: バンガロールはインドの中でも治安が良い都市

「インド留学に興味はあるけれど、治安が心配」— これはご相談で最も多くいただく質問です。先に結論をお伝えすると、留学先のバンガロールはインドの中でも治安が良い部類で、犯罪指数のデータでは欧米の主要都市より安全側に位置します。夜も比較的安心して外出でき、近年は日本人女性の留学・滞在も増えています。

ただし、私たちは「インドは安全です」とは書きません。正確には「インドのどこか」ではなく「バンガロールという都市を選んでいるから、この条件になる」です。同じインドでもデリーとバンガロールでは数字がまったく違いますし、都市部と地方でも事情は変わります。そして「海外である以上の基本的な注意」は、どの都市でも必要です。

この記事では、イメージではなくデータと現地で暮らす実感の両方から、インド留学の治安を解説します。都合のいい数字だけを並べるつもりはないので、私たちにとって不利なデータも同じ場所に置きます。

この記事で扱うデータについて

ここで使うのは、体感治安を数値化した Numbeo の犯罪指数(欧米主要都市との国際比較)です。一方、インド警察が認知した件数の公式統計(NCRB)でインド国内の都市どうしを比べると、バンガロールは主要19都市の平均並みになります。測っているものが違うため結果も変わります。国内比較の数字と、外務省の危険情報レベルについてはインドで英語留学するメリットの治安の章で扱っています。あわせてご覧ください。

データで見る治安(犯罪指数の国際比較)

都市ごとの治安を比較できる Numbeo の犯罪指数(2025 年版・数値が低いほど安全)では、バンガロールはニューヨークやロンドン、パリよりも低い数値です。

都市犯罪指数(低いほど安全)
東京23.2
バンガロール44.6
ニューヨーク49.3
ロンドン54.8
パリ57.5
セブ(フィリピン)59.7
サンフランシスコ62.0
マニラ(フィリピン)64.1

出典: Numbeo(2025 年版)

この表の読み方は 2 つあります。1 つはバンガロールの 44.6 は、ニューヨーク(49.3)・ロンドン(54.8)・パリ(57.5)・サンフランシスコ(62.0)を下回るということ。「欧米留学なら安全で、インドは危険」という前提は、少なくともこの指標では成立しません。もう 1 つは東京の 23.2 とは倍近い差があるということです。日本にいるときと同じ感覚のままで過ごしていい街ではありません。この 2 つは両方とも事実で、どちらか一方だけを見ると判断を誤ります。

Numbeo の犯罪指数は「体感治安」の指標です

Numbeo の数値は、警察の認知件数を集計した公式統計ではなく、その都市の住民・滞在者による回答をもとにした体感治安の指標です。回答者の属性に左右されるため、厳密な統計として扱うことはできません。

一方で、公式統計には公式統計の弱点があります。届出率や FIR(被害届)の登録率が地域によって違うため、「認知件数が多い都市=危険な都市」とは限らず、「きちんと登録されている都市」の可能性もあるからです。どの指標にも欠点があるので、私たちは複数の指標を並べたうえで判断していただく方針をとっています。

性犯罪の発生率を国際比較すると

女性の留学に関するご相談で必ず話題になるのが、性犯罪です。人口 10 万人あたりの発生率を国際比較すると、次のようになります。

発生率(人口 10 万人あたり)
イギリス246.65
フランス118.69
ドイツ50.10
アメリカ41.77
韓国39.12
日本4.55
インド1.8〜3.5

数字だけを見ると、インドはイギリス(約 247 件)やフランス(約 119 件)を大きく下回ります。ただし、この表を「インドのほうが安全な証拠」として使うのは間違いです。

この数字をどう読むべきか

国際比較のこの手の統計には、2 つの大きな歪みがあります。1 つは犯罪の定義の違い。イギリスの数値が突出して高いのは、性的な迷惑行為を幅広く犯罪として計上しているためで、同じ行為が別の国では統計に入らないことがあります。もう 1 つは届出率の違いです。被害を警察に届け出やすい社会ほど数字は大きくなり、届け出にくい社会ほど小さく出ます。インドの数字については、この過少申告の影響を指摘する声があります。

ですから私たちは「インドのほうが 100 倍安全」とは書きません。この表から言えるのは、公開されている統計を見るかぎり、インドだけが突出して危険だという裏付けはないということまでです。そのうえで、女性の留学に必要な備え(住まいの選び方・夜間の移動手段)は、どの国に行く場合でも同じように必要だとお伝えしています。

バンガロールの治安が良い 4 つの理由

なぜ同じインドの中でバンガロールだけ数字の傾向が違うのか。理由は、この都市の成り立ちにあります。

1. 「インドのシリコンバレー」— 教育水準の高さ

バンガロールはインドの IT 産業の中心地で、世界中の企業が開発拠点を置いています。集まってくるのは大学教育を受けた技術者とその家族で、街のボリュームゾーンが「穏やかでフレンドリーな知的労働者」になっているのがこの都市の特徴です。街の雰囲気は、インドの他都市を想像して来ると拍子抜けするほど落ち着いています(インドの IT 産業についてはこちら)。

2. 中間層が厚く、貧困に起因する犯罪が相対的に少ない

IT 産業が生んだ雇用によって、バンガロールには安定した収入のある中間層が厚く形成されています。所得の格差が犯罪の発生と関係することは各国で指摘されており、中間層の厚さは治安のベースを底上げする要因になります。もちろん格差そのものがなくなったわけではありませんが、「街全体が貧しく、生活のための犯罪が多発する」という状況ではありません。

3. CCTV と警備 — 防犯インフラが整備されている

バンガロールはインド内務省の Nirbhaya Fund による Safe City 事業の対象 8 都市の 1 つで、市内 3,000 か所以上に 7,000 台を超える CCTV などが整備されています。加えて、マンション・レジデンス・ショッピングモールには警備員が常駐しているのが標準です。ゲートで入館者をチェックする文化があるため、住まいのセキュリティは日本の集合住宅より厳格なことも珍しくありません。

4. 外国人慣れした国際都市で、英語が通じる

外国人が日常的に働き、暮らしている街なので、日本人が歩いていても「珍しい外国人」として悪目立ちしません。これは防犯上、地味に効きます。さらに公用語のひとつが英語で、行政・病院・店舗のほとんどで英語が通じるため、困ったときに自分で助けを求められる— 言語が通じない国での「何が起きているか分からない」状態を避けられるのは、安全面の大きな差です。

実際に暮らすとどうか — 留学生の実感

データの話が続いたので、現地の感覚もお伝えします。実際に暮らす日本人留学生・駐在員から最も多く聞くのは「想像以上に安全だった」という言葉です。

たとえば半年間留学した日本人の女子学生の場合、渡航直後は不安から夕方までに帰宅していました。ところが生活に慣れてくると、友人と食事をして 22 時をまわってから帰る日も増えていきます。最終的には「日本と変わらない感覚で過ごせた」という感想でした。IT エリアや学生街では、夜でも女性が普通に歩いています。

ただし「慣れた」と「安全になった」は違います

この変化の中身は、街が安全になったことではなく、本人が「どの道が安全か」を知ったことです。数か月暮らすと、明るい大通りと避けるべき裏道、混雑する時間帯、信用できる店が分かってきます。生活圏が固定されて、判断材料が増えた状態です。

裏を返すと、その判断材料がまだない渡航直後の 1〜2 週間が、いちばん注意が必要な時期だということです。私たちが空港出迎えを無料にし、到着後に生活圏の案内をしているのは、この期間を一人で手探りさせないためです。

他の留学先と比べたときの違い

フィリピン(セブ・マニラ)との比較

アジア留学の比較検討でよく並ぶのがフィリピンです。犯罪指数はセブが 59.7、マニラが 64.1 で、バンガロールの 44.6 はいずれより低い数値です。「アジアの英語留学=フィリピン、そちらのほうが安心」というイメージも、この指標では裏付けられません。ただしフィリピン留学にはマンツーマン授業という明確な強みがあり、治安だけで選ぶものでもありません(セブ島留学との比較はこちら)。

欧米留学と比べたときの違い

欧米留学では、犯罪指数に表れにくいリスクがあります。学生同士のパーティー文化に伴う飲酒トラブルや、飲み物への薬物混入(drink spiking)は、イギリスなどで継続的に問題として報じられてきました。

バンガロールの学生寮・シェアハウスでは、男女の居住エリアが明確に分けられ、入退館の管理も厳格なのが一般的です。飲酒を前提とした学生の集まりも、欧米ほど生活の中心にありません。これは「インドのほうが優れている」という話ではなく、リスクの形が違うということです。留学先を治安で比べるときは、犯罪指数だけでなく「そこでの学生生活がどんな形か」も見てください。

なぜ「インド=危険」のイメージが広がるのか

理由はシンプルで、ネガティブな情報ほど SNS やメディアで拡散されやすいからです。発信者の多くはインドに行ったことがなく、一方で「実際に住んでみたら安全だった」という体験談は拡散力が弱い。この非対称性が、実態とかけ離れたイメージを作っています。

もうひとつ、「インド」という主語が大きすぎるという問題があります。インドは人口 14 億人・面積は日本の約9倍の国で、都市によって状況がまったく違います。実際、NCRB の統計ではデリーの犯罪率は主要 19 都市平均の約 2.5 倍です。「インドは危ない」というイメージの相当部分は、デリーの数字と、そこで起きた事件の報道によって形成されています。ヨーロッパ全体を一つの治安レベルで語らないのと同じで、国ではなく都市で見る必要があります(バンガロールという都市について)。

残念なことに、この思い込みは進路指導の場面でも起きます。私たちのもとには、インドを訪れたことのない大学の先生から偏った治安情報を伝えられ、留学を断念しかけたという学生からのご相談も届いています。反対されること自体は自然ですが、判断の材料が「行ったことのない人のイメージ」だけになっていないかは、確認する価値があります。データと現地の一次情報を持っていれば、周囲の説得もしやすくなります(ご家族向けの説明資料もお渡しできます)。

バンガロールの治安のさらに詳しいデータ・比較は、姉妹メディアのバンガロールの治安の実態データで見るバンガロールの治安でも解説しています。

それでも注意すべき 7 つのこと

ここからは実務的な話です。留学生が実際に遭いやすいのは凶悪犯罪ではなく、スリ・置き引き・ぼったくり・オンライン詐欺です。次の 7 点を守るだけで、リスクの大半は下げられます。

  1. 深夜の一人歩きを避ける— 特に街灯や人通りの少ない裏道。夜間に移動するなら大通りを選び、遠回りでも明るい道を通ってください。
  2. 移動は Uber・Ola などの配車アプリに統一する— 料金が事前に確定し、乗車記録が残ります。乗る前に車両ナンバーとドライバーがアプリの表示と一致しているかを必ず確認してください(交通・移動の詳細はこちら)。
  3. 貴重品と現金を分散して持つ— 多額の現金を一か所にまとめない。人が密集する市場・駅・バスではリュックを前に抱え、スマホを後ろポケットに入れないでください。パスポートは原則として持ち歩かず、住まいで保管します。
  4. オンライン詐欺を警戒する— バンガロールはインドの大都市の中でサイバー犯罪の認知件数が最多です。 OTP(ワンタイムパスワード)を人に伝えない、リンク経由でアプリを入れない、SNS の投資話に乗らない(スマホ・通信・お金ガイド)。
  5. 住まいを「安さ」だけで選ばない— バンガロールには安価な下宿型住居(PG)が多数ありますが、入居者の身分証確認をしていない物件が現実に存在します。治安上、最も大きな差が出るのは住環境です(格安留学のリスク)。
  6. 都市部以外への旅行は別に計画する— バンガロール市内の感覚を地方に持ち込まないでください。移動手段・宿・帰りの時間を事前に決め、行き先によっては現地スタッフに相談してください。
  7. 外務省の情報を確認し、たびレジに登録する— 渡航前に海外安全ホームページで最新の危険情報を確認し、たびレジ(3 か月以上の滞在は在留届)に登録を。緊急時に大使館・総領事館からの連絡を受け取れます。

治安と衛生は別の話

治安が良いことと、水・食事などの衛生面は別の注意点です。衛生面の対策は衛生・健康ガイドメリット・デメリットの記事で解説しています。

女性の留学について

「インドに女性が留学するなんて」と言われることがあります。事実として書けることを挙げます。

そのうえで私たちがお伝えしているのは、「女性だから危険」ではなく「住まいと夜間の移動手段を最初に固めれば、心配の大半は消える」ということです。滞在先には女性専用ルームを用意し、夜間の移動は配車アプリを前提に生活を設計します。女性の留学環境についてはインドで英語留学するメリットでも詳しく扱っています。

住まいと現地サポートの安全対策

治安の不安は「正しい情報」と「現地サポート」でほぼ解消できます。気になることがあれば、お問い合わせまたは LINE で現地スタッフに直接聞いてください。ご家族が心配されている場合のご説明もお手伝いします。留学プランの一覧はこちら

治安のよくある質問

01女性一人でのインド留学は大丈夫ですか?

バンガロールでは近年、日本人女性の留学・短期滞在・就労が増えています。IT エリアや学生街では女性の一人歩きも一般的です。ただし海外である以上、夜間は配車アプリを使う・人通りの少ない道を避けるなどの基本的な注意は必要です。住まいには女性専用ルームを完備し、現地の日本人スタッフがサポートします。

02夜間の外出はできますか?

バンガロールは夜も比較的安心して外出できる都市です。実際、慣れてくると夜の帰宅にも不安を感じなくなったという留学生が多くいます。それでも深夜の一人歩きは避け、Uber や Ola などの配車アプリでの移動をおすすめします。徒歩で移動する場合も、街灯と人通りのある大通りを選んでください。

03外務省の危険情報は出ていますか?

出ています。カルナータカ州・ベンガルールは 4 段階のうち最も低い「レベル1(十分注意してください)」です。デリー・ムンバイ・チェンナイなど主要都市も同じレベル1で、インドの都市部は一律にこの水準だとお考えください。「危険情報が何も出ていない国」ではないので、渡航前に外務省の海外安全ホームページを確認し、たびレジに登録しておくことをおすすめします。

04スリや置き引きはありますか?

あります。凶悪犯罪より、日本人が実際に遭いやすいのはこちらです。人が密集する市場・バス停・鉄道駅・混雑した路線バスなどでは、リュックを前に抱える、スマホをズボンの後ろポケットに入れない、といった基本的な対策を徹底してください。多額の現金を一か所にまとめて持ち歩かないことも有効です。

05オンラインの詐欺には注意が必要ですか?

必要です。バンガロールはインドの大都市の中でサイバー犯罪の認知件数が最も多い都市です。SNS 経由の投資話、偽の配達通知、宅配業者や銀行を装った電話など、手口は日本と共通しています。知らない相手に OTP(ワンタイムパスワード)を伝えない、リンクからアプリを入れない、という原則を守ってください。

06トラブルが起きたときはどうすればいいですか?

インド留学プラスは留学エリアそのものに日本人スタッフが常駐しているため、緊急時には迅速にサポートを受けられます。体調不良の場合も、バンガロールには病院が多く、医療費も比較的安価です。パスポートの紛失や事件・事故に巻き込まれた場合は、在ベンガルール日本国総領事館が窓口になります。

07バンガロール以外の都市や地方も同じように安全ですか?

いいえ。治安は都市・地域によって大きく異なり、都市部以外の地方では注意が必要な場所もあります。旅行する場合は事前に情報を集め、慎重に計画してください。現地スタッフへの相談も可能です。

この記事の執筆・編集: インド留学プラス

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