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英語圏以外で英語留学はできるのか — 「穴場」と呼ばれる国を正直に比較

アメリカやイギリス以外でも英語は学べるのか。「穴場」と紹介される国は、本当に穴場なのか。英語圏以外の英語留学について、言語学の枠組みと公的データ、そして現地で暮らす実感からお答えします。

最終更新日: 2026-08-11

SUMMARY

この記事の結論

英語圏以外でも英語留学は成立します。ただし「英語が公用語」と書かれている国が、そのまま「英語で生活が回る国」とは限りません。判断の基準になるのは、英語がその国の制度と日常のどこまで入り込んでいるかです。

メリット

  • 費用が抑えられる。差がはっきり出るのは3か月以上から
  • 欧米の学生ビザで求められる数百万円規模の資金証明が不要な国が多い
  • 日本人が少なく、日本語に逃げにくい環境をつくりやすい
  • 非ネイティブ同士の英語に慣れる。実務で出会う英語の大半はこちら

デメリット・注意点

  • アクセントは付く。ネイティブ発音の習得自体が目的なら英語圏が合理的
  • 日本語の情報が少なく、渡航前の情報収集に手間がかかる
  • 語学学校の公的な認証制度がない国もあり、学校ごとの差が大きい
  • 同じ国でも都市によって英語の通じ方がまったく違う

結論: 成立する。ただし国によって差が大きい

「英語留学=アメリカ・イギリス・カナダ・オーストラリア」という前提は、いまはかなり崩れています。フィリピン留学が一般的になり、マルタやマレーシアも選択肢として並ぶようになりました。

ただ、「英語圏以外でも英語は学べます」で終わらせると、判断材料になりません。実際に見るべきなのは、その国で英語がどこまで機能しているかです。公用語として憲法に書かれているかではなく、役所・大学・職場・そして街の会話で実際に使われているか。ここが国によって、そして同じ国でも都市によって大きく違います。

そしてもうひとつ、英語圏以外が選ばれる理由があります。実務で対峙する英語の大半が、そもそもネイティブの英語ではないことです。英語を共通語として研究する分野では、世界の英語使用者のうち母語話者はおよそ4 人に 1 人とされています。「きれいな英語だけを聞き取れる耳」では、現場で足りない — この認識が広がったことが、英語圏以外という選択肢を現実的なものにしています(後述の英語圏以外で学んだ英語は、仕事で通用するのか)。

この記事では、言語学の枠組みと公的データで「英語圏以外」を整理したうえで、穴場と呼ばれる国を一つずつ見ていきます。

先にお断りします — 国によって、この記事の情報の精度は違います

インド留学プラスは、インド・バンガロールに拠点を置き、現地に日本人スタッフが常駐している留学エージェントです。そのためインドについては、かなり精度の高い情報をお伝えできます。実際の学費、提携校の教室の様子、街で英語がどう使われているか、住まいの実態 — いずれも自分たちで確かめたことです。

一方、マルタ・マレーシア・フィジーなどインド以外の国については、公開資料の調査と、現地に関わりのある方へのヒアリングにもとづく情報です。私たちがその国に住んで確かめたわけではないので、インドと同じ精度では書けません。

そのうえで、次の 2 点を守っています。数値には必ず出典を付けること。そして裏づけが取れなかったものは金額を書かず、「確認できなかった」と明記すること。他社の記事に載っている数字でも、一次ソースにたどり着けないものは引用していません。他国の情報は、必ずご自身でも各国の学校に確認したうえで判断してください。

そもそも「英語圏」とは何を指すのか

言語学では、世界の英語使用を 3 つの層に分けて考える枠組みが広く使われています。Kachru の同心円モデルです。

分類英語の位置づけ主な国
Inner Circle(内円)英語が母語として使われる国イギリス、アメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド
Outer Circle(外円)旧英領などで、英語が行政・司法・高等教育の言語として制度的に機能している国インド、フィリピン、シンガポール、マレーシア、南アフリカ、マルタ
Expanding Circle(拡大円)英語が外国語として学ばれる国日本、中国、韓国、タイ、ヨーロッパ諸国の多く

ここで重要なのは、日本語で「英語圏以外」とひとくくりにされている国の中に、性質のまったく違う 2 つのグループがあることです。

Outer Circle の国では、英語は外国語ではありません。行政・司法・高等教育の言語として制度に組み込まれており、その国で生まれ育った人が英語で仕事をしています。一方 Expanding Circle の国で英語留学をすると、教室を一歩出た瞬間に英語が消えます。英語圏以外を検討するなら、まずこの線を引いてください。

インド英語は「間違った英語」ではありません

インドは Outer Circle に分類されます。2023 年 1 月には、オックスフォード英語辞典(OED)が 800 語超にインド英語の発音表記と音声を追加しました。これにより OED が収録する英語の変種は 16 になりました。英語を第一・第二・第三言語として使うインド人は 2011 年国勢調査に基づく集計で約 1 億 2,900 万人。米国に次ぐ世界第 2 位です。

非英語圏の英語力を、どう測るか

「その国の人の英語は通じるのか」を知りたいとき、客観的な手がかりになるのが TOEFL iBT の国別平均です(ETS 公式、2024 年 1〜12 月)。

ReadingListeningSpeakingWritingTotal
インド2425222394
日本1918171872
フィリピン2022232286
韓国2222202186
中国2321202185
世界平均21.922.120.721.186

インドが 94、フィリピンが 86、日本が 72。ただし、この数字の読み方には注意が必要です。TOEFL 受験者は留学志望者という自己選択集団であり、国民全体の英語力を表すものではありません。「インド人の英語力は日本人より高い」という証明にはならず、あくまで「留学を目指す層同士を比べるとこの差がある」という話です。

同じ国でも都市によって違う

国単位の平均だけを見ていると、留学先を選ぶときに判断を誤ります。EF English Proficiency Index 2025 のインド都市別スコアを見ると、コーチ 577、ムンバイ 570、ベンガルール 569に対して、デリーは 407。同じ国の中で、これだけの開きがあります。

EF EPI は自社の無料オンラインテスト受験者にもとづく自己選択サンプルなので、絶対値ではなく都市間の相対的な傾向を見る参考として扱ってください。それでも「インドだから英語が通じる/通じない」という粗い議論が成り立たないことは分かります。

「穴場」と呼ばれる国の実際

英語留学の「穴場」として紹介されることが多い国を並べます。数字を出しているのは、出典を確認できたものだけです。確認できなかったものは、確認できなかったと書きます。

英語の位置づけ費用の目安実際のところ
フィリピンOuter Circleアジアで最も選択肢が多い。マンツーマン中心英語留学の定番。日本人が最も多い国でもあり、学校によって日本人比率が大きく異なる。セブ以外の地方都市(バコロド等)を穴場として紹介する記事も多い
マルタOuter Circle1 か月の学費 約 10 万円以内が目安ヨーロッパからの留学生が中心で、日本人は比較的少ない。ただし注目が集まり増加傾向。6〜8 月のサマーシーズンは料金も上がり、日本人の多いクラスになることもある
マレーシアOuter Circle1 か月の学費 約 10 万円(授業料 7〜8 万円)多民族国家で日常的に英語が使われる。日本国籍は 90 日以内の滞在ならビザ不要。物価が安く、欧米の半分ほどの費用で留学できるとされる
インドOuter Circle2 週間 約 30 万円〜(学費・宿泊費・ビザ費用・教材費込み)英語話者数は約 1 億 2,900 万人で世界 2 位。留学生は 173 か国から集まる。日本人は極めて少ない。都市によって英語の通じ方が大きく違う
フィジーOuter Circle本記事では確認できず英語が公用語の島国として紹介されることが多い。費用や学校数について、私たちが確認できる一次情報がなかったため数字は書きません
スリランカ・南アフリカ・ドバイ(UAE)など国により異なる本記事では確認できず「穴場」として挙げられることがある国々。極端に安い学費を紹介している記事もありますが、一次ソースを確認できなかったため、この記事では金額を引用しません

金額を書かなかった国について

フィジー、スリランカ、南アフリカ、ドバイなどは「穴場」として挙げられることがありますが、費用については一次ソースを確認できませんでした。たとえば「スリランカは 3 か月の学費が 3 万 5 千円」といった記述を見かけますが、裏づけが取れないため引用しません。冒頭でお断りしたとおり、確認していない数字は書かない方針です。これらの国を検討される場合は、各国の学校に直接お問い合わせください。

フィリピン — 選択肢の多さが最大の強み

英語圏以外の留学先として、いちばん情報が揃っている国です。学校数が圧倒的に多く、セブ、バギオ、クラーク、マニラなど都市ごとに特色があります。最大の強みは1 日 4〜6 時間のマンツーマン授業を低コストで受けられること。講師と一対一で話し続ける時間を、これだけ安く確保できる留学先は他にありません。

注意点は 2 つあります。ひとつはアジアの語学留学で日本人が最も多い国であること。セブ島の語学学校には日本人比率が 60% を超える学校もあり、選択を誤ると授業以外の時間はほぼ日本語になります。もうひとつは、表示される授業料のほかに就学許可(SSP)や寮の保証金などが現地で加算されることです。

マルタ — ヨーロッパで英語を学ぶという選択

地中海の島国で、英語が公用語のひとつです。ヨーロッパからの留学生が中心のため、クラスメイトの国籍がヨーロッパに偏るのが特徴。1 か月の学費は約 10 万円以内が目安とされ、イギリスと比べると費用を抑えられます。

料金は季節でかなり動きます。6〜8 月のサマーシーズンが最も高く、学生の夏休みが終わる 10〜11 月には夏の半額程度になる学校もあると各社が案内しています。日本人は比較的少ないとされますが、注目が集まったことで以前より増えており、ハイシーズンには英語レベルによって日本人の多いクラスになることもあるようです。

マレーシア — 入国のハードルがいちばん低い

多民族国家で、民族の違う人どうしの会話に英語が使われます。1 か月の学費は約 10 万円(授業料 7〜8 万円)が目安で、物価も安く、欧米の半分ほどの費用で留学できるとされています。

実務面で大きいのは、日本国籍なら 90 日以内の滞在にビザが不要なことです。短期の語学留学で、ビザ手続きの負担をほぼゼロにできます。年間を通じて 27〜33℃ 程度で、生活インフラも整っています。

インド — 英語話者数は世界 2 位、日本人は極端に少ない

英語を第一・第二・第三言語として使う人は約 1 億 2,900 万人で、米国に次ぐ世界第 2 位。高等教育機関には173 か国から留学生が集まっています。一方で日本人はきわめて少なく、JASSO の留学先上位 10 か国にも入っていません。

ただし都市による差がこの表のどの国よりも大きいのがインドです。次章以降で詳しく書きますが、北インドと南インドでは英語の通じ方がまったく違います。「インドだから英語が学べる」という粗い判断はできません。

「英語が公用語」と「英語で生活が回る」は別物

英語圏以外の留学先を選ぶとき、いちばん判断を誤りやすいのがここです。

インドは英語が連邦公用語のひとつです。しかし北インドのヒンディー語圏に留学すると、生活はヒンディー語で回ってしまいます。買い物も、街の雑談も、住まいでの会話もヒンディー語。英語を使う場面が学校の中に限られてしまうということです。

英語が生活で機能するかどうかを分けるのは、公用語かどうかではなく、次の条件です。

逆に言えば、この 4 つが揃っていない国では、英語が公用語と書かれていても留学の効果は限定的になります。

費用 — 差が開くのは 3 か月以上から

英語圏以外が選ばれる最大の理由は費用です。まず比較対象として、欧米の語学留学の相場を並べます(留学ジャーナル調べ、2026 年 1 月時点。授業料 + 滞在費 + 食費で、航空券・保険・お小遣いは別途)。

4週間3か月1年
アメリカ56万〜65万円144万〜217万円528万〜838万円
イギリス41万〜64万円113万〜188万円413万〜712万円
オーストラリア37万〜43万円112万〜135万円411万〜530万円
カナダ35万〜47万円98万〜125万円355万〜494万円

正直に言うと、1 か月だけを比べた場合、英語圏以外を選んでもカナダやオーストラリアとの差はそれほど大きくありません。短期は渡航手配や初期費用の比重が高いため、どの国でも単価が上がるからです。差がはっきり出るのは 3 か月以上です。

見落とされがちな「入口の壁」

費用の話でもうひとつ効いてくるのが、学生ビザの資金証明です。学費とは別に、生活費として一定額を口座に用意していることを証明しなければなりません。近年、各国が大幅に引き上げています。

生活費の証明額(学費とは別)
イギリスロンドン内 月 £1,529 × 最大9か月 = £13,761
オーストラリア年 AUD 29,710(2024年5月10日〜。5年で約41%増)
カナダ年 CAD 22,895(2025年9月1日〜。前期間の2倍以上)

円換算では、いずれも数百万円規模です。一方、英語圏以外の短期留学ではこの要件がない国が多く、マレーシアは日本国籍なら 90 日以内の滞在にビザ自体が不要、インドの語学留学は観光ビザの中の短期学習用のビザで渡航します。「行けるかどうか」の段階でのハードルが違うということです。

なお、イギリスについては日本国籍の方は資金証明書類の提出が原則不要です。要件自体は満たす必要がありますが、「日本人も £13,761 を用意しないと申請できない」というのは誤りなので補足します。インド側のビザについてはビザ完全ガイドをご覧ください。

現地払いや航空券まで含めた総額での比較は語学留学が安い国はどこかに、アジアに絞った 3 か国の実額比較はアジアで英語留学するならどこかにまとめました。

日本人の多寡

英語圏以外を選ぶ動機として、費用と並んで多いのが「日本人が少ない環境で学びたい」というものです。

JASSO の 2024 年度調査では、日本人学生の留学先はアメリカ 12,627 人、オーストラリア 9,329 人、韓国 8,360 人、カナダ 6,736 人、イギリス 5,381 人が上位です。フィリピンは英語圏以外では最も日本人が多く、マルタも近年は増加傾向にあります。

国別の詳しい比較と、「日本人が少ない学校は不人気校ではないか」という論点への回答は日本人が少ない語学留学先はどこかにまとめました。

英語圏以外で学んだ英語は、仕事で通用するのか

「非ネイティブの英語に囲まれて学んで、実務で通用するのか」— これは当然の疑問です。ここは、実務で出会う英語がどういうものかから考える必要があります。

実務で出会う英語の大半は、非ネイティブの英語です

英語を共通語として研究する分野では、世界の英語使用者のうち母語話者はおよそ 4 人に 1 人であり、英語でのやりとりの大多数に母語話者は関与していないと指摘されています。取引先がインド人、上司がシンガポール人、同僚がフィリピン人という状況で、全員がアメリカ英語で話すわけではありません。

一方、日本の英語教育はネイティブ音声だけです

大学入試センターの研究開発部は、共通テストのリスニング音声がネイティブ・スピーカーによる収録であると説明しています。そのうえで「深層学習に基づく合成音声を適用できれば、北米英語だけに留まらず、イギリス英語やカナダ英語、さらにはインド英語など — いわゆるワールド・イングリッシュの会話問題を作成できる可能性も秘めています」と、将来の可能性として書いています。つまり現時点では実現していません。TOEIC についても、査読誌のテストレビューは米・英・加・豪・NZ の話者が使われていると記述しており、いずれも英語を母語とする国です。

学校で聞かされる英語と、社会で対峙する英語のあいだに落差がある— これが日本の英語学習者が置かれている状況です。英語圏以外への留学は、この落差を埋める機会になります。

多様なアクセントに触れることの効果

これは精神論ではなく、音声知覚の研究で確認されている現象です。訓練群を「5 人の話者が全員同じアクセント」の A 群と「5 人がそれぞれ違うアクセント」の B 群に分け、訓練で一度も聞かせていない新しいアクセントの理解度を測った実験があります。結果、B 群だけが、聞いたことのないアクセントの理解を向上させました

同じアクセントをたくさん聞いても、そのアクセントが得意になるだけです。違うアクセントを浴びると「訛りに対処する力そのもの」が育つ。多国籍な教室で学ぶことの価値は、ここにあります。

ただし、短期間では効果が出にくい

誇張しないために書いておきます。5 日間・160 名を対象に 1 日 39 試行の短時間曝露を行った研究では、曝露群に統制群を上回る利得は見られませんでした。効果が期待できるのは、まとまった量と期間、そして多様な話者に浸ることです。2 週間の観光的な滞在ではなく、1 か月以上、生活の中で英語を使う環境に身を置くことに意味があります。この論点はインドで英語留学するメリットで、都合の悪いデータも含めて詳しく検証しています。

英語圏以外でも、資格試験は受けられるのか

見落とされがちですが、実務的に効く論点です。IELTS も TOEFL も、英語圏以外の国で受験できます。留学中にスコアを取って帰国する、という使い方ができるということです。

むしろ英語圏以外の国のほうが、受験環境が整っている場合があります。インドはその典型で、英語圏の大学へ進学する人が多いため試験の需要が大きく、会場も回数も豊富です。

インドの IELTS 受験環境

インドでの IELTS 実施は IDP が一手に担っています。2021 年 7 月 25 日以降、ブリティッシュ・カウンシルはインドで IELTS を実施していません(古い情報が多く残っているのでご注意ください)。

バンガロールの IDP 試験会場は St. Mark's Road/Whitefield/Kasturba Road の 3 か所。受験料は INR 19,000(ペーパー版。改定されることがあるため申込時にご確認ください)。コンピューター版は 1 日最大 3 回、週 7 日実施されており、日本より受験機会がはるかに多いのが実情です。私たちの提携校にも IELTS 対策コースを設けている学校があります。

「留学 → 受験 → 帰国」を 1 回の渡航に収める

日本で対策して日本で受験するより、英語漬けの環境で対策して、その場で受験するほうが効率的です。とくに Speaking は、日常的に英語を使っている状態で受けるかどうかで結果が変わります。進学や就職でスコアが必要な方は、留学の計画にこの順番を組み込んでください。学校のコース構成はインド語学留学の学校選びにまとめています。

インドの場合 — なぜ英語が共通語として機能するのか

ここからは、私たちが現地を持っている国の話です。他国について書いてきたことより、解像度が上がります。

理由 1: 母語が違う人どうしの共通語が英語だから

インドは憲法第 8 付則に22 の指定言語を持つ多言語国家です。2011 年国勢調査では 121 の言語、話者 1 万人を超える母語だけで 270 が数えられています。

とくに南インドはドラヴィダ系言語圏で、ヒンディー語が通じにくい地域です。そのため出身州の違う人どうしが話すときの共通語が英語になります。バンガロールはインド各地から人が集まる IT 都市なので、この傾向がさらに強くなります。

理由 2: 職場の言語が英語だから

バンガロールはインドの IT・R&D 機能が最も集中する都市です。グローバル企業の開発拠点が集まり、ホワイトカラー層の仕事は英語で回っています。教室の外で出会う相手が、日常的に英語を使って働いている人たちだということです。

理由 3: 教室が国際的だから

インド教育省の全国高等教育調査(AISHE 2023-24)によると、インドの高等教育機関で学ぶ外国人留学生は173 か国から 58,134 人。受け入れが最も多い州はカルナータカ州(7,914 人)で、バンガロールはその中心都市です。語学学校のクラスも、アフリカ・中東・アジア各国からの留学生が中心になります。

この「多様なアクセントに囲まれる」状態には、学術的な裏づけもあります。音声知覚の研究では、複数のアクセントに触れた群だけが、訓練で一度も聞いていないアクセントの理解を向上させたと報告されています。詳しくはインドで英語留学するメリットで、都合の悪いデータも含めて検証しています。

ただし「インドならどこでもよい」ではありません

前章で書いたとおり、北インドと南インドでは英語の通じ方が違います。デリー周辺は英語を使う場面が学校の中に限られがちで、EF EPI のスコアもベンガルール 569 に対してデリー 407 です。加えて気候(デリーは夏に 45℃前後)と大気汚染(冬季に AQI が 400〜500 超の「危険」水準)という生活面の負荷もあります。都市ごとの比較はバンガロール留学ガイドにまとめました。

英語圏以外を選ぶデメリット

1. アクセントは付く

これは否定しません。インド英語には音声的な特徴があり、書き取り課題での正答率はインド英語が 79.6%、一般アメリカ英語が 95.2% だったという実験データもあります。ただし同じ研究で、参加者の 79% が「インド英語に馴染みがない」と回答していました。聞き取りにくさの相当部分は、アクセントの優劣ではなく慣れの問題です。

とはいえ、ネイティブの発音を身につけること自体が目的なら、素直に英語圏へ行くほうが合理的です。

2. 日本語の情報が少ない

英語圏以外の留学先は、日本語の体験談も口コミも限られます。渡航前に「実際どうなのか」を調べる手間が増え、判断材料も少なくなります。この記事でフィジーやスリランカの金額を書けなかったのも、同じ理由です。

3. 語学学校の質が国によってばらつく

ここは私たち自身の国について正直に書きます。インドには公的な語学学校の認証制度が整っておらず、学校ごとの差が大きいのが実情です。だからこそ学校選びが渡航後の満足度をほぼ決めます。私たちが複数校を実際に訪問したうえで提携先を絞り、校名・所在地・コース構成・時間割まで公開しているのは、この理由です(語学学校のページ学校の選び方)。

4. 生活環境は、日本と同じにはならない

インドの場合、水道水は飲めませんし、慣れない食事で最初は体調を崩す方もいます。予定どおりに物事が進まないことも日常的に起こります。対策で防げるものがほとんどですが、「快適さ」を最優先する方には向きません衛生・健康ガイド)。

向いている人・向いていない人

英語圏以外が向いている人

英語圏を選んだほうがいい人

どこが合うかは、目的から逆算してください

留学は手段です。帰国後に何をしたいのか、いま自分に足りないのは何なのか — そこから考えると、選ぶべき留学先はかなり絞られます。お話をうかがった結果、インド以外のほうが合うと判断すれば正直にお伝えします。インドの英語環境についてはインド英語留学のリアル、費用の内訳は費用まとめをご覧ください。プログラムの詳細は留学プランに、ご相談はお問い合わせ・LINE で受け付けています。

よくある質問

01英語圏以外に留学して、変な英語が身につきませんか?

アクセントは付きます。ただ、そこで得られるものもあります。音声知覚の研究では、複数のアクセントに触れた学習者だけが、訓練で一度も聞いていないアクセントまで理解できるようになると報告されています。一方で「ネイティブの発音を身につけること自体が目的」であれば、素直に英語圏へ行くほうが合理的です。目的によって答えが変わります。

02英語が公用語の国なら、どこでも英語で生活できますか?

いいえ。公用語かどうかと、街で英語が通じるかは別の話です。インドは英語が連邦公用語のひとつですが、ヒンディー語圏の北インドでは日常生活がヒンディー語で完結してしまい、英語を使う場面が学校の中に限られがちです。同じ国でも都市によって変わります。「英語が公用語」という表記だけで判断しないでください。

03英語圏以外だと、費用はどれくらい安くなりますか?

1 か月だけで比べると、カナダやオーストラリアとの差はそれほど大きくありません。短期は渡航手配や初期費用の比重が高く、どの国でも単価が上がるためです。差がはっきり出るのは 3 か月以上です。加えて欧米は学生ビザの資金証明として数百万円規模を口座に用意する必要があり、この入口の壁も見落とせません。

04英語圏以外の語学学校は、質が心配です

国によって事情が違います。たとえばインドには公的な語学学校の認証制度が整っておらず、学校ごとの差が大きいのが実情です。これは正直にお伝えしなければならない点で、だからこそ学校選びが渡航後の満足度をほぼ決めます。私たちが複数校を実際に訪問したうえで提携先を絞り、校名・所在地・時間割まで公開しているのはこの理由です。

05英語圏以外に留学しても、IELTS のスコアは伸ばせますか?

はい。IELTS も TOEFL も英語圏以外の国で受験できます。むしろ英語圏の大学へ進学する人が多い国のほうが、受験環境が整っていることがあります。インドでの IELTS 実施は IDP が一手に担っており、バンガロールには試験会場が 3 か所、コンピューター版は 1 日最大 3 回・週 7 日実施されています。受験料は INR 19,000(ペーパー版)です。英語漬けの環境で対策してその場で受験できるため、とくに Speaking では日本で受けるより有利に働くことがあります。

06「穴場」の国は、なぜ知られていないのですか?

留学業界の送客の流れが理由の大半です。日本のエージェントが扱う国は欧米とフィリピンに偏っており、それ以外の国は情報そのものが日本語で出回りません。学ぶ環境として劣っているから知られていない、とは限らないということです。ただし裏返せば、日本語の体験談や口コミが少なく、渡航前の情報収集に手間がかかるという実害もあります。

参考・出典

この記事の数値と主張の裏づけです。ご自身で確認できるよう、一次資料へのリンクを掲載しています。

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