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語学留学が安い国はどこか — 表示価格ではなく「総額」で比べる

「いちばん安い国はどこか」— 表示価格だけを並べると判断を誤ります。現地払い、学生ビザの資金証明、航空券。総額で見たときに何が変わるのかを整理しました。

最終更新日: 2026-08-11

SUMMARY

この記事の結論

「安い国」は、表示されている授業料ではなく総額で決まります。現地払い・学生ビザの資金証明・航空券を入れると順位が変わり、さらに期間によっても答えが変わります。1〜2 週間なら航空券の安い国、3 か月以上なら生活費の安い国が有利です。

メリット

  • アジアの語学留学は欧米の1/3〜1/2程度に収まる
  • 欧米で必要な数百万円規模の資金証明が不要な国が多い
  • 生活費指数で見ると、滞在が長いほど差が開く
  • 総額とサポート範囲を確認すれば、後からの追加費用を避けられる

デメリット・注意点

  • 表示価格の安さは現地払いで相殺されることがある
  • 短期(1〜2か月)では、欧米との差はそれほど大きくならない
  • 極端に安いプランは、ビザ・住まい・授業の質が削られている場合がある
  • 語学学校に通うだけの留学に使える給付型奨学金は見当たらない

結論: 表示価格が安い国と、総額が安い国は違う

「語学留学 安い国」で検索すると、国名と授業料を並べたランキング記事が出てきます。ただ、そこに書かれている金額の多くは授業料や学費の目安であって、実際に口座から出ていく金額ではありません。

実際に比べるべきなのは、渡航から帰国までに支払う総額です。ここには現地払い、学生ビザの資金証明、航空券が含まれます。この 3 つを入れると、ランキングの順位はかなり変わります。この記事では、その計算のしかたを説明します。

先にお断りします — 国によって、この記事の情報の精度は違います

インド留学プラスは、インド・バンガロールに拠点を置き、現地に日本人スタッフが常駐している留学エージェントです。そのためインドについては、かなり精度の高い情報をお伝えできます。この記事に出てくる学費の内訳、1 日あたりの生活費、交通費、外食の相場は、いずれも自分たちが現地で確かめた数字です。

他国については、情報の性質が 2 つに分かれます。欧米の相場と学生ビザの資金証明は、各国政府の公式情報と公表されている調査データにもとづくもので、出典をたどれます。一方フィリピン・マレーシア・マルタの費用は、公開資料の調査と、現地に関わりのある方へのヒアリングにもとづく情報です。私たちがその国に住んで確かめたわけではないので、インドと同じ精度では書けません。

そのうえで、裏づけが取れなかった金額は書きません。他社の記事に載っている数字でも、一次ソースにたどり着けないものは引用していません(後述のスリランカの例など)。そして私たちは中立ではありませんが、インドが「いちばん安い」とも書きません。実際、短期ではフィリピンやマレーシアのほうが総額で安くなることがあります。他国の金額は、必ずご自身でも各国の学校に確認したうえで判断してください。

「安い国ランキング」が見落としている 3 つの費用

1. 現地払い

申込時に支払う金額とは別に、到着後に現地で請求される費用です。就学許可、寮の保証金、教材費、水道光熱費、空港出迎え費用など。国と学校によっては、これが数万円単位で積み上がります。

2. 学生ビザの資金証明

欧米に長期で留学する場合、学費とは別に「生活費をまかなえる資金がある」ことを口座残高で証明しなければなりません。支払う費用ではありませんが、その金額を用意できなければ出発できないという意味で、実質的な参加条件です。

3. 航空券

意外に効きます。短期留学ほど総額に占める比率が高くなるため、2 週間の留学では航空券の差がそのまま順位を決めます。逆に半年・1 年と長くなるほど、航空券の影響は小さくなります。

比較の基準 — 欧米の相場

まず比較の基準として、欧米の語学留学の相場を置きます(留学ジャーナル調べ、2026 年 1 月時点。授業料 + 滞在費 + 食費で、航空券・保険・お小遣いは別途)。

4週間3か月1年
アメリカ56万〜65万円144万〜217万円528万〜838万円
イギリス41万〜64万円113万〜188万円413万〜712万円
オーストラリア37万〜43万円112万〜135万円411万〜530万円
カナダ35万〜47万円98万〜125万円355万〜494万円

ここで注目したいのは期間による伸び方です。カナダの 4 週間は 35 万〜47 万円で、アジアと比べて極端に高いわけではありません。しかし 1 年になると 355 万〜494 万円です。安い国を探す意味が本当に出てくるのは、長期の場合だということが、この表から読み取れます。

入口の壁 — 学生ビザの資金証明

費用を考えるうえで見落とされがちなのが、学生ビザの資金証明です。近年、各国が大幅に引き上げています。

生活費の証明額(学費とは別)
イギリスロンドン内 月 £1,529 × 最大9か月 = £13,761
オーストラリア年 AUD 29,710(2024年5月10日〜。5年で約41%増)
カナダ年 CAD 22,895(2025年9月1日〜。前期間の2倍以上)

円換算では、いずれも数百万円規模を口座に用意しておく必要があります。オーストラリアは 5 年で約 41% 増、カナダは前期間の 2 倍以上という引き上げ幅です。

一方、アジアの短期留学ではこの要件がない国がほとんどです。マレーシアは日本国籍なら 90 日以内の滞在にビザ自体が不要、インドの語学留学は観光ビザの中の短期学習用のビザで渡航します。「行けるかどうか」の段階でのハードルが違います。

イギリスについての補足

日本国籍の方は、イギリスの学生ビザで資金証明書類の提出が原則不要です。要件自体は満たす必要がありますが、「日本人も £13,761 を用意しないと申請できない」というのは誤りなので補足します。インド側のビザについてはビザ完全ガイドをご覧ください。

「安い国」と呼ばれる国の実際

安さで挙げられることが多い国を、表示価格・現地払い・航空券の 3 列で並べます。数字は出典を確認できたものだけを書いています。

表示される学費現地払い・注意点航空券
フィリピン2 週間の授業料 5〜10 万円(部屋タイプで変動)入学金 約 15,000 円、SSP 10,000〜12,000 ペソ、寮の保証金・教材費・光熱費。30 日超はビザ延長、8 週超は ACR I-Card直行 4〜5 時間で安い
マレーシア1 か月の学費 約 10 万円(授業料 7〜8 万円)本記事では内訳を確認できませんでした直行 7〜8 時間。90 日以内はビザ不要
マルタ1 か月の学費 約 10 万円以内が目安6〜8 月のサマーシーズンは料金が上がる。10〜11 月は夏の半額になる学校もある乗り継ぎが必要で高くなりやすい
インド2 週間 約 30 万円〜(学費・宿泊費・ビザ費用・教材費・食事の一部・SIM 込み)現地での追加請求なし乗り継ぎ含め 10 時間前後。やや高い

金額を書かなかった国について

スリランカ、フィジー、南アフリカなども「安い国」として挙げられることがあります。なかには「3 か月の学費が 3 万 5 千円」といった記述もありますが、一次ソースを確認できなかったため、この記事では引用しません。自社が現地を持っていない国について、確かめていない数字を並べるべきではないと考えています。これらの国を検討される場合は、各国の学校に直接お問い合わせください。

生活費そのものの差

学費と同じくらい効いてくるのが、毎日の生活費です。生活費指数(Numbeo)では、バンガロールを基準にした場合、東京は家賃込みで 171.8% 高く、ロンドンは 399.0% 高い(約 5 倍)、シドニーは 350.0% 高いという数字が出ています。Numbeo はユーザー投稿型で公的統計ではありませんが、桁の感覚をつかむ参考にはなります。

マーサーの生活費調査 2024 年版でも、ベンガルールは 226 都市中 195 位で、インドの都市は世界トップ 100 に 1 つも入っていません

実額で見ると

バンガロールの生活費を具体的に挙げます(1 ルピー ≒ 1.8 円で換算)。

生活費の差は、滞在が長くなるほど効いてきます。2 週間ではほとんど誤差ですが、半年・1 年になると総額を大きく左右します。詳しい内訳は費用まとめ食事事情にまとめました。

現地払いという落とし穴

セブ島留学を例に説明します。授業料は 2 週間で 5〜10 万円という数字を目にすることが多いはずです。ここだけを見ると圧倒的に安く見えます。ただ、実際に支払う総額はこれだけではありません。

就学許可である SSP は期間の長短にかかわらず全員に必要で、学校の代行手数料込みで 10,000〜12,000 ペソ前後を現地で支払うのが一般的です。加えて入学金(約 15,000 円)、寮の保証金、教材費、学生証、水道光熱費、空港出迎え費用などが到着後に請求されます。30 日を超える滞在ならビザ延長費用、8 週間を超えるなら ACR I-Card も加わります。

一方インドは 2 週間 約 30 万円〜という形で、学費・宿泊費・ビザ費用・教材費に加えて SIM カードと通信費まで含めて提示しています。現地で追加請求が発生しない代わりに、最初に見える金額は高くなります。ただし航空券はセブ島のほうが安いため、総額では大きな差がつきません。1 対 1 の詳しい比較はセブ島留学とインド留学の違いにまとめています。

見積りを比べるときの 3 つの確認点

①ビザ費用が含まれているか。②留学エリアにスタッフが常駐しているか(「インドにいます」ではなく、都市名まで確認してください)。③総額とサポート範囲が最初に明示されているか。この 3 つを揃えて比べると、金額の差がどこから来ているのかが見えます。

安すぎるプランの見分け方

ここは、安さを追いかけたときにいちばん危ない領域の話です。実際に私たちのもとへ届いたご相談を挙げます。

インドの物価が安いことは事実です。それでも、この条件をこの金額で提供している事業者があるとしたら、どこかに必ず理由があります。ある地点から先は、値引きではなく、何かを削ることでしか安くならない領域に入ります。

そして削られるのは、たいていパンフレットに載らない部分です — ビザの扱い、住まいの安全性、衛生環境、授業が実際に行われるかどうか、トラブルが起きたときに誰が動くか。いちばん取り返しがつかないのはビザで、就学目的に合わないビザでの入国は、入国拒否や以後の渡航への影響につながる可能性があり、あとから修正が効きません。

実際に起きたトラブルの事例(空港に誰も来ない、男女共用のシェアハウス、出入り管理のない部屋)と、契約前に立ち止まったほうがよいエージェントの特徴はインド留学は「安さ」で選んで大丈夫?に詳しく書きました。安さを検討している方には、こちらを先に読んでいただきたいと思っています。

安全な環境との差は、意外と小さい

強調したいのは、安全な環境と危うい環境の差は、実はそれほど大きな金額ではないということです。ビザを正しく扱い、セキュリティのある住まいを確保し、現地に日本人スタッフを置く — この差は留学全体で見れば数万円から十数万円ほどです。数十万円を投じる留学で、その数万円を削って全体を危険にさらすより、期間や住居タイプで調整するほうが合理的だと考えています。

奨学金で安くできるのか

費用を下げる手段として奨学金を検討される方は多いのですが、ここは正直にお伝えします。

私たちが調べた範囲では、語学学校に通うだけの留学に使える給付型奨学金は、公的機関・民間財団・インド政府のいずれにも見当たりませんでした。主要な制度が、募集要項で対象を限定しているためです。学位取得課程が対象であったり、探究活動・実践活動を計画に含めることが要件であったりします。

奨学金を出す側は「語学を学ぶこと」ではなく「語学を使って何をするか」に対してお金を出している、と理解していただくのが近道です。逆に言えば、インターンやフィールドワークを組み合わせた計画にすれば、対象になる制度はあります。制度ごとの可否はインド留学で使える奨学金まとめに一覧にしました。

時期による変動 — いつ行くかで数万円変わる

同じ国・同じ学校でも、行く時期によって総額は変わります。国選びと同じくらい効くのに、ランキング記事ではほとんど触れられません。

学費が季節で動く国がある

分かりやすいのがマルタです。6〜8 月のサマーシーズンが最も高く、学生の夏休みが終わる 10〜11 月には夏の授業料の半額程度になる学校もあると各社が案内しています。ヨーロッパのバカンス需要に価格が連動しているためです。

航空券は、繁忙期に跳ね上がります

日本側の事情も効きます。年末年始、ゴールデンウィーク、お盆は航空券が高騰します。短期留学ほど総額に占める航空券の比率が高いので、1 週間ずらすだけで数万円変わることも珍しくありません。バンガロールへの経由便は、時期にもよりますが片道 4〜5 万円ほどが目安です。

繁忙期は「日本人が増える時期」でもあります

費用の話とは別に、日本の大学が長期休暇に入る 2〜3 月と 7〜9 月は、どの国の語学学校でも日本人が増えます。高い時期に行くと、日本人も多いという二重の不利になりがちです。日程に融通が利くなら、この期間を外すだけで費用と環境の両方が改善します(日本人が少ない語学留学先はどこか)。

2026 年は物価と航空券が上昇傾向にあります

2026 年は、イランとアメリカを巡る国際情勢の影響で、航空券や現地の物価が上昇傾向にあります。本ページの金額はこれまでの実績にもとづく目安のため、時期によっては記載より高くなる場合があります。為替の影響も含め、最新の金額は見積りでご確認ください。

費用を抑える現実的な方法

国を変える以外にも、総額を下げる方法はあります。効果が大きい順に挙げます。

逆に、削ってはいけないのはビザ・住まいの安全性・現地サポートです。前章のとおり、ここを削って浮くのは数万円で、失うものと釣り合いません。

結局どこが安いのか — 期間別の結論

1〜2 週間の短期

総額に占める航空券と初期費用の比率が高くなるため、日本から近い国が有利です。フィリピンやマレーシアが総額で安くなりやすく、インドは航空券のぶん不利になります。この期間で「安さ」を最優先するなら、素直に近い国を選ぶほうが合理的です。

1〜3 か月

航空券の影響が薄まり、生活費と現地払いの差が見えてくる期間です。アジア各国の差はまだ小さく、「いくら安いか」より「何が含まれているか」で選ぶほうが結果に効きます。

3 か月以上

ここから差がはっきり出ます。生活費指数の差がそのまま総額に乗ってくるためです。アメリカに 1 か月留学する予算があれば、インドでは 3 か月学べる計算になります。加えて欧米は資金証明という入口の壁もあります。

安さは目的ではなく、条件です

費用を抑えられれば、同じ予算で長く滞在できます。そして語学留学は、期間が長いほど成果が出やすいという性質があります。つまり「安い国を選ぶ」ことの本当の価値は、浮いたお金ではなく伸ばせる期間が増えることにあります。ここを取り違えて、安さそのものを目的にすると失敗します。

もうひとつ、費用では測れない差があります

同じ金額を払うなら、何が身につくかで比べたほうが合理的です。そして、いま実務で求められている英語力は「きれいな発音で話すこと」より「どんな訛りの英語も聞き取れること」に寄ってきています。

英語を共通語として研究する分野では、世界の英語使用者のうち母語話者はおよそ4 人に 1 人とされています。取引先も同僚も非ネイティブ、という場面のほうが多いということです。ところが日本の英語教育で聞くのは、共通テストも TOEIC もほぼネイティブの音声だけです。

この落差を埋められるかどうかは、費用ではなくその国でどれだけ多様なアクセントに触れられるかで決まります。インドは国内だけでも憲法が定める指定言語が 22 あり、高等教育機関には 173 か国から留学生が集まります。音声知覚の研究では、複数のアクセントに触れた学習者だけが、聞いたことのない訛りまで理解できるようになると報告されています。詳しくはインドで英語留学するメリットをご覧ください。

国ごとの英語環境の違いはアジアで英語留学するならどこか英語圏以外で英語留学はできるのかに、日本人の多寡で選ぶ場合は日本人が少ない語学留学先はどこかに、インドの費用の内訳は費用まとめにまとめています。ご予算のご相談も歓迎ですので、お問い合わせまたは LINE からお気軽にどうぞ。留学プランの一覧はこちら

よくある質問

01結局、語学留学がいちばん安い国はどこですか?

期間によって答えが変わります。1〜2 週間の短期なら、航空券の安いフィリピンやマレーシアが総額で有利になりやすいです。3 か月以上になると、生活費の安さと現地払いの少なさが効いてくるため差が縮まり、欧米との比較では大きく開きます。「どの国が安いか」ではなく「何か月行くのか」から考えてください。

02表示されている授業料だけで比べてはいけないのはなぜですか?

現地払いがあるためです。たとえばフィリピンでは、入学金・就学許可(SSP)・寮の保証金・教材費・水道光熱費などが到着後に請求されます。加えて欧米の場合は、学費とは別に数百万円規模の資金証明が必要です。航空券も国によって数万円単位で違います。比べるべきは「渡航から帰国までに口座から出ていく総額」です。

03安い国に行けば、その分だけ得ですか?

安さは結果であって目的ではありません。極端に安いプランは、ビザの扱い・住まいの安全性・衛生環境・授業が実際に行われるかといった、パンフレットに載らない部分を削って成立していることがあります。数万円を削った代わりに留学そのものを失っては元も子もありません。総額とサポート範囲をセットで見てください。

04語学留学に使える奨学金はありますか?

私たちが確認した範囲では、語学学校に通うだけの留学に使える給付型奨学金は、公的機関・民間財団・インド政府のいずれにも見当たりませんでした。主要な制度が「学位取得課程」や「実践活動を含む計画」を要件にしているためです。奨学金を出す側は「語学を学ぶこと」ではなく「語学を使って何をするか」に対してお金を出している、と考えると分かりやすいと思います。

05予算が限られています。相談してもいいですか?

もちろんです。ご予算に対して期間や住居タイプを調整するご提案は可能です。「この金額でどこまでできるか」を一緒に考えます。ただし安全性やビザに関わる部分は削らない方針でご案内しています。

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