
宇佐美健一
エンジニアとしてインドへ渡り、失敗を重ねながら英語とITを学びました。以来10年以上、バンガロールと関わり続けています。そのとき欲しかった留学を、いま形にしています。

PROFILE
インド留学プラス 代表 / 現役エンジニア
エンジニアとして6年働いたのち、20代で会社を辞め、スキルアップのためインドへ渡りました。バンガロールで英語とITを学び、現地IT企業でのインターンを経て、日本で独立。この留学で得たものの大きさが、留学事業を立ち上げるきっかけになりました。現在は日本とインドで2社を経営しながら、現役エンジニアとしても活動しています。
| 現在の役職 | インド留学プラス 代表 / CatS株式会社 代表取締役 |
|---|---|
| インド滞在 | 10年以上(バンガロールを中心に全域) |
| エンジニア歴 | 20年以上(現在も現役で活動中) |
| 渡印時の英語力 | TOEIC 200〜400 程度 |
| 現地での学習 | 英語とITを合計8ヶ月 |
| 現地就業 | 200人規模のインドIT企業で約1年のインターン |
| 専門 | ソフトウェア開発・インド事業・留学事業・貿易事業 |
BACKGROUND
なぜ、シリコンバレーではなくインドだったのか
20代前半のころ、エンジニアとして働いていました。毎日残業があり、休日出勤も珍しくない日々。技術は身についていくものの、このまま同じ場所にいて何が残るのかという焦りがありました。
そこで中小企業診断士の勉強を始めます。「仕事全般を理解できればエンジニアとして大きな武器になる」と考えて、働きながら専門学校に通いました。結果は不合格。ただ、その過程で同じような考えを持つエンジニア仲間と出会い、彼らから聞いたのがインド留学という選択肢でした。
調べてみると、シリコンバレーに行かなくても、インドなら英語とITの両方を同時に、しかも桁違いに安く学べることがわかりました。試験が終わったあと会社に辞職を伝え、そのままインドへ発ちました。渡航前の英語力はTOEIC 200〜400程度。出発の2ヶ月前からオンライン英会話と独学で準備し、1年分の生活費として用意したのは50万円。当時でも無謀な額面でした。
WHAT WENT WRONG
私がインド留学で失敗した3つのこと
この留学事業でやっていることは、ほとんどが自分の失敗の裏返しです。私が当時つまずいたのは、次の3点でした。
01
とてつもなく高い金額を支払っていました
日本のエージェント経由で申し込んだ結果、あとから現地の相場を知って愕然としました。しかも、それだけ払ったにもかかわらず、学校は多々突然休みになり、用意されていた住居は最初の2週間だけ。支払った金額からホテルのような部屋を想像していたのに、実際はトイレもシャワーも共有で、何かあるたびに追加料金を請求されるひどい環境でした。現地でのサポートは一切なく、連絡も取りにくい状態です。当時は現地の適正価格を調べる方法がなく、提示された金額をそのまま受け入れるしかなかったのです。格安でなくてもかまわない。ただ、適正な金額で満足のいく留学にしたい。そう思うようになった原点が、この経験です。
02
日本人だらけの語学学校で、1ヶ月を失いました
最初に入ったムンバイの語学学校は、生徒の大半が日本人でした。当然ほとんど日本語で会話することになり、英語を話す機会は先生とのやりとり程度。数ヶ月後に聞いたところ、英語が伸びた生徒はごく一部だったそうです。学校選びを間違えると、留学期間そのものが無駄になります。
03
住まい探しに失敗し、割高な短期滞在を続けました
月2万円前後で長期物件を探していましたが、この予算が当時でも無謀でした。日本人が単独で契約するのは難しく、ネット上に情報もほとんどない。結局、長期の住まいは見つからないまま、1泊5000円の短期アパートに泊まり続けることになりました。住まいが決まらない不安を抱えていると、勉強どころではありません。だから私たちは住まいを先に用意しています。
EXPERIENCE
バンガロールでの8ヶ月と、現地企業での1年
ムンバイでの1ヶ月を無駄にしたあと、バンガロールにある学校へ移りました。ここが転機になります。クラスは3人、アフリカからの留学生が中心で日本人はゼロ。最初の2ヶ月で英語力は一気に伸び、日常生活で困らなくなりました。環境を変えただけで、これほど変わるのかと驚いたのを覚えています。
並行してITも学びました。英語とITを同時に学べたことが、当時の自分にとってはなにより大きな収穫でした。技術を英語で理解する感覚は、いまの仕事にもそのままつながっています。学習期間は合わせて約8ヶ月です。
そのあと、バンガロールに本社を置くTechnoforte というインドのIT企業で、インターンとして働きました。従業員は200人規模。日本人は一人もおらず、業務はすべて英語です。
この会社について少し説明させてください。Technoforteは2001年の創業以来20年以上ソフトウェア開発を手がけ、いまでは米国・ヨーロッパ・中東・アジア太平洋にも拠点を持つ会社です。ISO 9001:2015 と ISO/IEC 27001:2022 を取得し、トヨタのインド法人 Toyota Kirloskar Motor とは創業年から現在まで取引が続いています。近年は倉庫管理システム Palms™ を自社製品として展開するほか、各国の国民ID基盤として採用されているオープンソースの MOSIP の実装まで手がけている企業です。日本でいえば、社会インフラを支える開発会社に近い位置づけになります。
そんな会社で、私は自社製品の開発チームに入り、リリースまでの約1年を現場で過ごしました。開発は自社だけで完結せず、別のIT企業と協業しながら進みます。日本にいたころとは進め方も判断の基準も違い、戸惑うことばかりでした。それでも、英語で仕事ができるという手応えをこの1年で得られたことが、その後のすべてにつながっています。
日本の語学学校で英語を学んだだけでは、この場所にはたどり着けませんでした。現地で英語を身につけ、現地の企業に入り、現地のチームと製品をつくる。この経験から現地でのフリーランス活動が始まり、最終的にインドでの法人設立に至りました。
住まいについても書いておくと、アパート探しに失敗した私を助けてくれたのは、当時バンガロールで現地法人を立ち上げていた日本人の起業家でした。彼のアパートの空き部屋に半年近く住まわせてもらい、そこから現地の日本人ネットワークが一気に広がりました。誰と一緒に暮らすかで留学の中身は変わる— いまソーシャルレジデンスを住まいに選んでいるのは、この実感があるからです。
NOW
現在の活動
現在は日本のCatS株式会社(東京都世田谷区)と、バンガロールのインド現地法人Sunlight Yellow Overdrive Pvt. Ltdの2社を運営しています。IT事業(システム・アプリ開発)を本業としながら、インド留学プラスの代表として留学事業を担当しています。
現役のエンジニアであり続けているのは、それがインド留学を考える方に説明できる根拠になるからです。AIが実務に入ってきたいま、プログラミングを学ぶために海外へ行く意味がどれだけあるのか。この問いには、現場で手を動かしている立場から正直に答えたいと考えています。
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FAQ
よくある質問
01記事は誰が書いているのですか?▼
インド留学プラス代表の宇佐美健一が監修し、バンガロール現地に滞在する日本人スタッフと共同で執筆しています。費用や学校の情報は現地の一次情報にもとづいて掲載し、私自身の留学経験と、これまでご案内した留学生の実例を反映しています。
02エンジニアの経歴は留学とどう関係していますか?▼
私自身がエンジニアとしてインドでITと英語を学び、現地IT企業で約1年間インターンとして製品開発に参加しました。そのため、IT留学が実際にどんな内容なのか、いま留学費用を何に使うべきかを、経験と現在の技術動向の両面から判断できます。IT留学に関する考えは「インドでIT留学はどう?」にまとめています。
03なぜ留学エージェントを始めたのですか?▼
自分の留学が、相場からかけ離れた高い学費・日本人だらけの語学学校・住まい探しの失敗と、避けられたはずのつまずきの連続だったからです。同じ思いをする人を減らしたいという動機で、現地に法人を持ち、学校・住まい・サポートを自分たちで組み立てる形にしました。
04現在もインドにいるのですか?▼
日本のCatS株式会社とインド現地法人の2社を運営しており、日本とインドを行き来しています。バンガロールのオフィスには現地在住の日本人スタッフとインド人スタッフが常駐しているため、留学中のサポートは現地で対応しています。
